Session 6


小学5年生
始業式で担任が発表された
しかも、見事に「コイツだけは嫌だ」と思っていた先生に


まぁ良く言えば熱血教師なんやろう
「とにかく恐い、厳しい」
「生徒に手を上げる」
そんな評判を聞いていた
30代のおっさんで、万年ジャージの体育会系
気に入られれば最高やけど、嫌われたら最悪、そんな感じだった


その人は、とにかく横暴だった
自分の方針は絶対
それに反発する者、ついて来ない・来れない者は、暴力を以ってでも従わせる


俺は先生が恐かった
初めて人間に対してビビっていた


それでも、納得できないことへの怒りに似た反発心もあった


最初の1年間は、特になにも無かった
ただ、やはり納得できないことはあったし、
怒られる友達を見てさらに恐怖は募っていた
その人の怒り方はとにかく容赦無い
徹底的に責めて「お前が悪い」と強烈に意識させ、
そして何度も何度も謝罪させる
次第に、いつも怒られる面子が決まってきていた


6年生になり、俺はついにやってしまった
先生の方針に従わなかったのだ
怒られた、泣いた
恐怖は現実のものとなり、俺の心に深く根付いた


「この人は恐い」


俺はとにかく、もう怒られたくなかった
そうして、泥沼にはまっていった